特許法の八衢

Tinnus Enterprises, LLC v. Telebrands Corporation (Fed. Cir. 2017)

本判決は、CAFCが、テキサス州東部地区連邦地裁による暫定的差止め命令(preliminary injunction)*1を維持した事案である。

ユーザーマニュアルが(ユーザによる)直接侵害の証拠になるか等、興味深い論点がいくつか議論されているが、
なかでも面白いのが、暫定的差止めを認める要件の一つである「回復不能の損害(irreparable harm)」の存在を認めるにあたり、
原告*2製品のAmazonのレビューに、「無名な(off brand)この製品のほうが、有名な(name brand)被告製品のものよりも好きだ」というものがあることを、その理由(の一つ)にしている点だろうか。

*1:日本における仮処分に相当。

*2:特許権の専用実施権者(exclusive licensee)。