2025-07-01から1ヶ月間の記事一覧
1. はじめに 本稿も、前稿と同様、知財高判令和7年5月27日(令和3年(ネ)第10037号 )*1(以下、本判決)を取り上げる。本稿のテーマは、〈独占的通常実施権者に固有の損害賠償請求権は認められるか〉である。 2. 事案の概要*2 2.1 事案の要旨 ⑴ 本件は、医薬…
はじめに 知財高判令和7年5月27日(令和3年(ネ)第10037号 )*1は、存続期間が延長された特許権の効力範囲が大きな争点となり、計217億円余りという極めて高額の損害賠償金が認められた事案である。本判決は注目すべき点が多くあるが、ここでは、私の備忘録も…
1 はじめに 本判決 東京地判令和7年7月10日(令和6年(ワ)第70128)*1は、特許権者である原告が、被告に対し、被告行為が特許権侵害を構成するとして、侵害行為の差止め等を求めた事案である。東京地裁は差止めを認容したが、被告行為のうち後記の「本件メン…
0 はじめに 本稿で紹介するのは、意匠権侵害事件である。近時、意匠法の重要性が増していると考えられるところ、意匠法において、「類似」の解釈(類否判断)は、理論上も実務上も、最大の論点といっても過言ではない。本事件は、第1審判決(東京地判令和6年…