特許法の八衢

2023-10-01から1ヶ月間の記事一覧

訂正要件の判断に誤りがあるとして審決を取り消した事案 ― 知財高判令和5年10月5日(令和4年(行ケ)第10126号)

判決概要 X(原告)の特許権について、Y(被告)が特許無効審判を請求した。審判においてXは訂正請求を行なったが、特許庁は、この訂正請求を認めず、さらに(訂正前の)本件発明1および2はサポート要件を満たさないと判断して、特許無効審決をなした。そ…

「除くクレーム」への訂正について判断された事案 ― 知財高判令和5年10月5日(令和4年(行ケ)第10125号)

はじめに 本判決(知財高判令和5年10月5日(令和4年(行ケ)第10125号))*1は、「除くクレーム」への訂正を認めなかった審決を、知財高裁が取り消したという事案である。その判示内容には、知財高大判平成20年5月30日(平成18年(行ケ)第10563号)[ソルダーレ…

サポート要件と「課題」との関係 ― 知財高判令和5年10月5日(令和4年(ネ)第10094号)

本件の概要 本件(知財高判令和5年10月5日(令和4年(ネ)第10094号))は、特許権者である原告=控訴人が、被告=被控訴人の行為は本件発明にかかる特許権の侵害に当たるとして、被告製品の販売等差止および廃棄を求めた事案である。原判決(東京地判令和4年8…