特許法の八衢

2020-08-01から1ヶ月間の記事一覧

物の発明および方法の発明についての記すまでもない話

「発明は本質的に方法という性質を有している」*1。たとえば、次の【装置クレーム】は、【方法クレーム】を実現する上での「道具」を規定しているに過ぎない。【装置クレーム】 アイコンの機能説明を表示させる機能を実行させる第1のアイコン、および所定の…

Bio-Rad Laboratories, Inc. v. 10x Genomics Inc. (Fed. Cir. 2020) ― 差止請求権の制限が認められた事案 ―

はじめに 米国においては、特許権侵害が認められても、当然に差止請求が認容されるわけではない。eBay事件連邦最高裁判決*1において示されたように、終局的差止め(permanent injunction)が認められるためには、(特許権侵害以外の場合と同様)equityの原則に…