特許法の八衢

2020-05-01から1ヶ月間の記事一覧

法学文書における「据わり」の意義

法学文書において「据わり」という表現が用いられることがある。例えば、以下のものである(強調は引用者;以下同)。「知的創作や努力のためのインセンティブ確保」を正当化理由の一類型として掲げる書物は少ない。その原因のひとつは、日本の独禁法に21条…

特許法102条1項2号括弧書きについての覚書

はじめに 特許庁総務部総務課制度審議室編『令和元年特許法等の一部改正 産業財産権法の解説』(発明推進協会,2020)発行*1を機に、令和元年改正*2で現れた特許法102条1項2号括弧書きについて整理してみたい。その前に条文を確認しよう。本改正前の特許法10…

多機能品型間接侵害規定はいかにして生まれたか ― 平成14年特許法改正について

はじめに 「特許法等の一部を改正する法律案(平成14法律24)に関する法律案審議録に含まれる行政文書のうち、特許庁から内閣法制局に提出されたもの。」について、私が開示請求を行ない入手した文書のうち、間接侵害規定および実施の定義の見直し(「プログ…