特許法の八衢

直接侵害

化学物質特許の保護範囲についての雑感 ― 東京地判令和5年7月28日(令和4年(ワ)第9716号)に接して ―

1 はじめに 本件 東京地判令和5年7月28日(令和4年(ワ)第9716号)は、特許権者である原告が、被告による被告製品の製造等は特許権侵害に当たると主張し、被告の行為の差止め等を求めた事案であり、結論として、裁判所は原告の請求を認めたものである。判決を…

国境を跨ぐ行為が「生産」に当たると判断された事案 ― 知財高大判令和5年5月26日(令和4年(ネ)第10046号)

1 はじめに 知財高大判令和5年5月26日(令和4年(ネ)第10046号)につき、判決要旨のみが裁判所ウェブページに掲載された時点で記事を書いたが、今般、判決全文が掲載されたため、あらためて記事を記す。判決文の一部を枠で囲んで引用し(強調は引用者による)…

国境を跨ぐ行為が「生産」に当たると判断された事案の「判決要旨」 ― 知財高大判令和5年5月26日(令和4年(ネ)第10046号)

はじめに 知財高大判令和5年5月26日(令和4年(ネ)第10046号)[コメント配信システム]につき、判決言渡日当日、知財高裁ウェブページにおいて「判決要旨」が掲載された一方、判決文については現時点(2023年5月28日)では掲載されていない。【2023-07-02追…

物の発明および方法の発明についての記すまでもない話

「発明は本質的に方法という性質を有している」*1。たとえば、次の【装置クレーム】は、【方法クレーム】を実現する上での「道具」を規定しているに過ぎない。【装置クレーム】 アイコンの機能説明を表示させる機能を実行させる第1のアイコン、および所定の…

Eli Lilly v. Teva Parenteral Medicines (Fed. Cir. 2017)と日本法制とに関する覚書

Eli Lilly v. Teva Parenteral Medicines (Fed. Cir. 2017) はじめに 本件Eli Lilly and Co. v. Teva Parenteral Medicines, Inc., 845 F.3d 1357 (Fed. Cir. 2017)は、先発医薬品企業である特許権者=原告Eli Lilly and Co.が、後発医薬品企業=被告Teva Pare…

Eli Lilly v. Teva Parenteral Medicines (Fed. Cir. 2017)と日本法制とに関する覚書

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