特許法の八衢

特許法104条に関する判断が傍論として示された事案 ― 東京地判令和6年9月26日(令和5年(ワ)第70178号)

1 はじめに

本判決(東京地判令和6年9月26日 令和5年(ワ)第70178号)は、医薬品の製法に係る特許発明について、その特許権侵害が争われた事案である。裁判所は構成要件充足性を認めなかったが、「念のため」特許法104条による推定が認められるか否かも判断している。

明らかな傍論なので、検討する意味はないのかも知れないが、本稿では、本判決の特許法104条の判断について取り上げる。

特許法104条:

物を生産する方法の発明について特許がされている場合において、その物が特許出願前に日本国内において公然知られた物でないときは、その物と同一の物は、その方法により生産したものと推定する。

2 本件発明

2-1 本件発明1-1

(1)酢酸亜鉛水和物(CZn・2HO)、賦形剤、崩壊剤及び溶媒の混合物を造粒した後乾燥して造粒物を得る工程、
(2)該造粒物を打錠して素錠を得る工程を含み、
工程(1)における品温が40℃未満であることを特徴とする、
酢酸亜鉛水和物錠の製造方法。

2-2 本件発明1-3

酢酸亜鉛水和物錠が、酢酸亜鉛水和物(CZn・2HO)を5~200mg含有し、大きさが直径5~12mm、厚さ1~6mmであって、
日局溶出試験法パドル法50回転(試験液:水900mL)によって測定される15分後の亜鉛の溶出量が85%以上である、
請求項1[引用者注:本件発明1-1記載の請求項]又は2に記載の酢酸亜鉛水和物錠の製造方法。

2-3 本件発明2-1

(1)酢酸亜鉛水和物(CZn・2HO)、賦形剤、結合剤、崩壊剤及び溶媒を含む混合物を造粒した後乾燥して造粒物を得る工程、
(2)該造粒物を打錠して素錠を得る工程を含み、
前記工程(1)における品温が40℃未満であることを特徴とする、
酢酸亜鉛水和物錠の製造方法。

2-4 本件発明2-3

酢酸亜鉛水和物錠が、酢酸亜鉛水和物(CZn・2HO)を5~200mg含有し、大きさが直径5~12mm、厚さ1~6mmであって、
日局溶出試験法パドル法50回転(試験液:水900mL)によって測定される15分後の亜鉛の溶出量が85%以上である、
請求項1[引用者注:本件発明2-1記載の請求項]又は2に記載の酢酸亜鉛水和物錠の製造方法。

3 当事者の主張*1

3-1 原告の主張

本件発明により生産されるものは、酢酸亜鉛水和物の錠剤である。そして、原告の酢酸亜鉛水和物の錠剤「ノベルジン錠25mg」及び「ノベルジン錠50mg」(甲6の添付文書。以下「原告各医薬品」という。)も本件発明の製造方法により生産される酢酸亜鉛水和物の錠剤である。
そして、被告医薬品は、原告各医薬品の後発医薬品であり、原告各医薬品と同じ酢酸亜鉛水和物の錠剤である。したがって、被告医薬品は原告各医薬品と同一の物であり、ひいては本件発明により製造される医薬品と同一の物である。

また、本件特許[引用者注:本件発明1-1、1-3、2-1及び2-3に係る特許の総称]の優先日(いずれも基礎出願である特願2014-244689の出願日である平成26年12月3日)において、酢酸亜鉛水和物のカプセル剤は公然知られていたが、本件発明により生産される酢酸亜鉛水和物の錠剤は公然知られていない。

したがって、特許法104条により、被告医薬品は、物を生産する方法の発明である本件発明により生産されたものと推定される。

なお、……本件発明に対する特許法104条の適用においては、優先日である平成26年12月3日を基準として公然知られていたものかどうかの判断がされる(特許法41条2項)。

3-2 被告の主張

(1) 原告は、本件特許の優先日において、本件発明により生産される酢酸亜鉛水和物の錠剤は公然知られていないとして、特許法104条の推定規定の適用がなされ、被告医薬品は、物を生産する方法の発明である本件発明により生産されたものと推定される旨主張する。

(2) しかしながら、原告は、本件特許の優先日(平成26年12月3日)より前の日である平成26年9月10日に、本件ニュースリリース*2において、「NPC-02(酢酸亜鉛)ウイルソン病治療剤ノベルジン®錠25mg及び50mgの製造販売承認(剤形追加)を取得」した旨公表した(乙17*3)。
上記の医薬品(原告各医薬品)は、本件発明の製造方法により生産される酢酸亜鉛水和物の錠剤であり、被告医薬品は、原告各医薬品の後発医薬品である。
したがって、本件発明について、特許法104条が定める「その物」は、本件特許の優先日において「日本国内において公然知られた物」であるから、被告医薬品について、特許法104条の推定規定の適用は認められない。

(3) さらにいえば、特許法104条の「公然知られた物」は、その物が必ずしも現実に存在することは必要でないが、少なくとも当該技術の分野における通常の知識を有する者においてその物を製造する手がかりが得られる程度に知られた事実が存することをいうものと解されている(知財高判令和4年2月9日*4等)。

ア 結晶水を有する医薬品(水和物)について、結晶水の脱離が生じると、生物学的利用能や製剤の経時的安定性に影響が生じる可能性があるため、結晶水の脱離が生じないよう乾燥条件を設定することは、本件特許の優先日前の技術常識である。
加えて、本件明細書の段落【0005】にも記載されているとおり、酢酸亜鉛水和物を有効成分とする先行医薬品の剤形を変更する場合、剤形の変更に伴い水和物の一部が無水物に転移すると、薬事行政上、ウィルソン病の治療薬として承認されていない有効成分を含有する医薬品となってしまう。
そのため、剤形についてカプセル剤から錠剤への変更を検討する当業者は、錠剤において無水物化が生じないよう当然に留意する。
また、水和物中の結晶水が、50℃~150℃程度の加熱乾燥等により比較的容易に脱水され、無水物となることは、本件特許の優先日前の水和物全般についての技術常識であり、これは、酢酸亜鉛水和物にも当然に妥当する。
しかも、本件特許の優先日前には、酢酸亜鉛水和物について、結晶水の脱水(無水物化)が50℃~100℃で生じる(50℃を超える加熱により脱水が生じ始め、100℃で完全に無水物化する)ことが知られていた(乙7。本件特許の優先日前に公開された文献である 。)。
そのため、医薬品の製造に携わる当業者であれば、当然に、酢酸亜鉛水和物錠の製造に当たり、結晶水が脱水しないよう、加熱乾燥の温度に留意して、乾燥工程における品温を50℃以下の適宜の温度に設定することを検討する。

イ また、本件ニュースリリースには「NPC-02(酢酸亜鉛)ウイルソン病治療剤ノベルジン®錠25mg及び50mgの製造販売承認(剤形追加)を取得」と記載されており、同含量は亜鉛の含量であるところ、この亜鉛の含量を酢酸亜鉛水和物の含量に換算することにより、当業者は、本件ニュースリリースに係る酢酸亜鉛錠における酢酸亜鉛水和物の含量を理解することができる。
さらに、酢酸亜鉛水和物の大きさについてみると、本件発明1-3及び2-3が定める大きさは、当業者が通常選択する大きさの範囲内のものでしかない。
また、溶出量についても、剤形追加の場合には、製造販売承認申請に当たり、生物学的同等性試験(溶出性試験を含む。)を行い、生物学的同等性を証する必要があるところ、その実施の詳細は「後発医薬品ガイドラインの第3章に従う」旨定められており(乙35)、これによれば、本件発明1-3及び2-3が定める溶出量(「日局溶出試験法パドル法50回転(試験液:水900mL)によって測定される15分後の亜鉛の溶出量が85%以上」)は、医薬品における一般的な基準の一つでしかない。
そして、以上の酢酸亜鉛水和物の含量、錠剤の大きさ及び溶出量を備えた錠剤の製造は、当該技術の分野における通常の知識を有する者において、特段の手がかりが必要とされるようなものではない。

ウ したがって、本件ニュースリリースの公表は、特許法104条の「その物」について、本件特許の優先日前に、当該技術の分野における通常の知識を有する者においてその物を製造する手がかりが得られる程度に知られた事実が存していたことの根拠となるものであり、被告医薬品について、特許法104条の推定規定が適用される余地はない。

(4) 加えて、特許法104条は、現行法が制定された昭和34年当時、物質発明が特許することができない発明とされていたことの代替として、新規化学物質の開発のインセンティブを確保する目的で設けられた推定規定であり、昭和50年特許法改正によって、特許法旧32条3号を廃止し、物質発明が認められることになったことで、歴史的な役目を終えた規定である。
ましてや、本件発明は、物質発明ではなく、そもそも特許法104条が制定当初に念頭においていた類型の発明ではない。このような意味でも、特許法104条の適用は、安易に認められるべきではない。

3-3 原告の反論

ア 原告のホームページの記載について

被告は、本件特許の優先日(平成26年12月3日)より前の日である平成26年9月10日に、原告のホームページ上のニュースリリース(以下「本件ニュースリリース」という。)において、「NPC-02(酢酸亜鉛)ウイルソン病治療剤ノベルジン®錠25mg及び50mgの製造販売承認(剤形追加)を取得」との公表がされており、本件発明により製造される医薬品は、本件特許出願の優先日において「日本国内において公然知られた物」に当たるから、被告医薬品について特許法104条の推定規定の適用は認められないと主張する。

しかしながら、原告各医薬品の添付文書が、本件特許出願の優先日よりも前に公開されているのであればともかく、このような記載のみから本件発明により製造される医薬品が「公然知られた物」になるとはいえない。

そして、「酢酸亜鉛」が「酢酸亜鉛水和物」なのか「酢酸亜鉛無水和物」なのかも判別することができず、また、「賦形剤」、「結合剤」、「崩壊剤」を含むかどうかも、この記載自体からは明らかではなく、「錠剤」であれば少なくとも「賦形剤」は含むであろうと推測する余地はあるが、それも推測であるにすぎない。

したがって、本件発明を用いて生産される物は、本件特許出願の優先日当時、公然知られた物ではなく、本件発明を用いて生産される物と同一の被告医薬品は、本件発明の方法を用いて生産されることが推定される。

イ 「その物を製造する手がかりが得られる程度に知られた事実」について

「その物を製造する手がかりが得られる程度に知られた事実」について被告は、「公然知られた物」といえるためには、「その物を製造する手がかりが得られる程度に知られた事実」が存すれば足り、それは、本件発明により製造される医薬品についても妥当する旨主張している。

しかしながら、本件発明との関係において、「その物を製造する手がかり」とは、正に本件発明に係る製造方法にほかならず、本件特許出願の優先日当時、そのような「手がかり」は公然知られていない。

したがって、本件発明により製造される医薬品を「製造する手がかりが得られる程度に知られた事実」は存在しないから、被告の主張は理由がない。

4 裁判所の判断*5

4-1 認定事実

原告は、「ノベルジン®カプセル25mg」及び「ノベルジン®カプセル50mg」について製造販売承認を取得し、平成20年4月に同医薬品の販売を開始した。同医薬品は、ウィルソン病治療剤(銅吸収阻害剤)であり、酢酸亜鉛水和物を有効成分とするカプセル剤である。

原告のホームページにおいては、平成26年9月10日付けで、「NPC-02(酢酸亜鉛)ウイルソン病治療剤ノベルジン®錠25mg及び50mgの製造販売承認(剤形追加)を取得」という本件ニュースリリースがされた。なお、剤形追加に係る医薬品とは、既承認医薬品等と有効成分、投与経路、効能・効果及び用法・用量は同一であるが、剤形又は含量が異なる医薬品をいう。

錠剤の製造方法には、直接粉末圧縮法、湿式顆粒圧縮法、流し込み成形法等が存在し、湿式顆粒圧縮法においては、通常、賦形剤、崩壊剤、結合剤等の添加剤が使用されている。

4-2 争点1-1(特許法104条による推定の可否)

被告方法は、「乾燥して造粒物を得る工程」における「品温が40℃未満」という構成要件(……)を充足しないことは、前記……において説示したとおりである。そうすると、仮に、被告医薬品が特許法104条に基づき本件発明に係る製造方法により生産したものと推定された場合であっても、前記……において説示したところによれば、当該推定は、覆されるものと認めるのが相当であるから、争点1-1は、本件において結論を左右するものとはならない。

もっとも、当事者双方の主張の経過に鑑み、念のため判断するに、前提事実及び前記認定事実によれば、本件発明の優先日前に出された本件ニュースリリースには、「NPC-02(酢酸亜鉛)ウイルソン病治療剤ノベルジン®錠25mg及び50mgの製造販売承認(剤形追加)を取得」という記載があるところ、本件ニュースリリース前から原告によって販売されているノベルジンカプセル25mg及び50mgは、ウィルソン病治療剤(銅吸収阻害剤)であり、酢酸亜鉛水和物を有効成分とするカプセル剤である。
そして、前記認定事実によれば、剤形追加に係る医薬品とは、既承認医薬品等と有効成分、投与経路、効能・効果及び用法・用量は同一であるが、剤形又は含量が異なる医薬品をいうことからすると、本件ニュースリリースに係る医薬品は、ウィルソン病治療剤(銅吸収阻害剤)であり、酢酸亜鉛水和物を有効成分とする酢酸亜鉛錠であるものと認められる。

これらの事情の下においては、本件ニュースリリースに係る医薬品は、本件発明[引用者注:本件発明1-1、1-3、2-1及び2-3の総称]により生産される物と同一のものといえるから、本件ニュースリリースの掲載により同医薬品の存在が対外的に公表されているといえる。
そうすると、本件発明により生産される「物」は、本件発明の優先日前の時点において、当業者がその物を製造する手がかりが得られる程度に知られたものであったと認めるのが相当である。

したがって、被告医薬品は、特許法104条に基づき、本件発明に係る製造方法により生産したものと推定することはできない。

これに対し、原告は、本件ニュースリリースでは、①「酢酸亜鉛」が「酢酸亜鉛水和物」なのか「酢酸亜鉛無水和物」なのかも判別することができず、②「賦形剤」、「結合剤」、「崩壊剤」を含むかどうかも明らかではなく、③上記にいう「その物を製造する手がかり」とは、本件発明に係る製造方法に他ならない旨主張する。

しかしながら、
①本件ニュースリリースの記載からすれば、本件ニュースリリースに係る医薬品はノベルジン®カプセル25mg及び50mgの剤形追加であるから、上記医薬品と同様に、酢酸亜鉛水和物を有効成分としていることは明らかであり、
②前記認定事実によれば、錠剤の製造においては、有効成分のみで錠剤を形成することは通常あり得ず、賦形剤、結合剤及び崩壊剤が含まれ得ることは、技術常識であるといえ、
③原告の主張の実質は「物」のみならず「製造方法」までも公然と知られていたことを要する趣旨をいうものであり、独自の見解というほかなく、原告の上記主張は、いずれも前記認定を左右するに至らない。
したがって、原告の主張は、いずれも採用することができない。

5 雑感

本件ニュースリリース」には、「NPC-02(酢酸亜鉛)ウイルソン病治療剤ノベルジン®錠25mg及び50mgの製造販売承認(剤形追加)を取得」としか記載されていないが、本判決では、これを理由に「本件ニュースリリースに係る医薬品は、本件発明により生産される物と同一のものといえるから、本件ニュースリリースの掲載により同医薬品の存在が対外的に公表されているといえる。本件発明により生産される「物」は、本件発明の優先日前の時点において、当業者がその物を製造する手がかりが得られる程度に知られたものであったと認めるのが相当である。」と認定判断され、特許法104条の適用が否定された。

ここで、特許法104条の「公然知られた物」の判断につき、従前の裁判例では一貫して、「その物が必ずしも現実に存在することは必要でないが、少なくとも当該技術の分野における通常の知識を有する者においてその物を製造する手がかりが得られる程度に知られた事実が存することをいうもの」との基準が採られているところ*6、本判決も同じ基準を用いており、この点においては違和感を感じない。

また、104条の「特許出願前」を、優先日前と解した点も、通説に従っている*7

加えて、裁判所が「原告の主張の実質は「物」のみならず「製造方法」までも公然と知られていたことを要する趣旨をいうものであり、独自の見解というほかなく、原告の上記主張は、いずれも前記認定を左右するに至らない。」と判断したことも妥当だと考える。

しかし、裁判所による認定判断の、次の二点に違和感を覚える。

第一は、「本件ニュースリリースに係る医薬品は、本件発明により生産される物と同一のものといえる」と認定判断した点である。
上記「本件発明」には本件発明1-3や2-3も含むところ、これら発明の「酢酸亜鉛水和物錠が、酢酸亜鉛水和物(CZn・2HO)を5~200mg含有し、大きさが直径5~12mm、厚さ1~6mmであって、日局溶出試験法パドル法50回転(試験液:水900mL)によって測定される15分後の亜鉛の溶出量が85%以上である」という構成要件は、製法を限定するものではなく「物」自体を限定するものと考えられる。
そうすると、「本件ニュースリリースに係る医薬品は、本件発明により生産される物と同一のものといえる」のだとしたら、本件ニュースリリースから当該構成(「酢酸亜鉛水和物錠が、酢酸亜鉛水和物(CZn・2HO)を5~200mg含有し、……亜鉛の溶出量が85%以上である」)まで読み取れる、ということになるはずだが、裁判所はその理由を明らかにしていない。

第二は、本件発明により生産される物の「存在」が示されたことから、直ちに、「その物を製造する手がかりが得られる程度に知られた事実が存する」と判断している点である*8
物の「存在」が認識できても、「その物を製造する手がかりが得られ」ないことは大いにあり得るのだから、裁判所は本件において何故「その物を製造する手がかりが得られる程度に知られた事実が存する」と言えるのか、理由を示すべきであったようにも思われる。被告の主張(上記3-2)はその理由を主張しているのだと考えられるが、この被告主張の理由を裁判所が採用したのか否か、判決文からは分からない。

もっとも、以上の二点につき、原告が積極的・具体的に争っていない(本判決で示された原告の主張・反論からはそう読み取れる)ため、理由付けは不要と裁判所が考えたのかも知れない。

ところで、104条による推定可否につき「念のため判断」した理由として、裁判所は「当事者双方の主張の経過に鑑み」としか述べていない。裁判所の意図は、「原告の主張の実質は「物」のみならず「製造方法」までも公然と知られていたことを要する趣旨をいうものであり、独自の見解というほかな」い、と明言することだったように思われるが、もちろんこれは私の憶測にすぎない。

更新履歴

  • 2024-11-02 公開
  • 2024-11-05 「5 雑感」の「第二は」で始まる段落に注釈を追加

*1:本判決記載のもの。強調は引用者による。さらに、引用者が改行を適宜追加した。

*2:引用者注:https://www.nobelpharma.co.jp/news/20140910-p238/

*3:引用者注:乙17を主引用例とする進歩性欠如も被告は主張している。

*4:引用者注:知財高裁令和2年(ネ)第10059号事件

*5:下線付記を含む強調は引用者による。さらに、引用者が改行を適宜追加した。

*6:前田健「生産方法の推定規定の現代的意義」清水節先生古稀記念『多様化する知的財産権訴訟の未来へ』(2023,日本加除出版)444頁以下参照。

*7:とくに外国出願日が優先日となっている場合において、異説がある点につき、前田健・前掲450頁。

*8:その物が必ずしも現実に存在することは必要でないが、少なくとも当該技術の分野における通常の知識を有する者においてその物を製造する手がかりが得られる程度に知られた事実が存することをいうもの」という(本判決も採用した)これまでの裁判例の基準(とくに下線部)について、裁判所は〈その物が現実に存在するすれば、この基準を満たす〉と考えたのかも知れない。しかし、(その物「自体」は開示されず)その物の「存在」のみ開示されても、それだけでは、その物の新規性は失われておらず、104条の「公然知られた物」に当たるとは言えないだろう。